#358 「鉛筆愛好家のサークルにようこそ……」

文/サクライダー(モノ・マガジン編集部)

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「鉛筆愛好家のサークルにようこそ……」


文房具好きにはもはや説明不要の「Graf Von FABER-CASTELL」。1761年、ドイツ・ニュルンベルク近郊で創業された世界最古の筆記具メーカー。今では当たり前となった六角形の鉛筆の原型を生み出したのも実はこのブランド。子供用の色鉛筆から、ゴッホやカール・ラガーフェルドなどそうそうたるアーティストが愛用したことでも知られている、とここまではモノ・マガジン文房具特集でみなさんもご存知のお話し。

写真は先日デッドストックとして手に入れたファーバーカステルの傑作品、パーフェクトペンシルの先代モデル。ファーバーカステルファンならお気づきだと思いますが、現行のパーフェクトペンシルとはかなり仕様が異なる点に注目。まず、太さ。現行のそれよりひとまわりほどスマート。そしてパーフェクトペンシルの名をあらわす鉛筆、消しゴム、鉛筆削りのうち、鉛筆削りがキャップに装備されておらず、別体であることが最大の特徴。

パーフェクトペンシルの先代モデル

20年くらい前に手に入れた、という前オーナーからの情報以外、何もわからないというこの製品。職業柄、あるいはしつこいオタク的性格もあり、いろいろ調べてみたのだけれど本当に情報が出てこない。未使用のボックス脇には「11 85 15」の品番らしき数字。それと同封されていたカードに手書きで書かれたAFに続く3桁のナンバリング。ケースは銀張りでファーバーカステルの創業地であるニュルンベルクの木彫り職人が愛用した、はんの木が使用されていることはわかっている。8つ折りになった取り扱い説明書には「鉛筆愛好家のサークルにようこそおいでくださいました」から始まる、作り手の想いがこもった解説。

別体となる鉛筆削り

いまの世の中、どんなモノを買っても値段がわかってしまい、ギフトの多くがシラケ気味になりつつある昨今。こんなミステリアスな買いモノができたことが楽しくて。しばらくこの買いモノの続きを楽しもうと夜な夜なネットの海をさまよう日々。