#344 テニス史上に残る名対決 ボルグVSマッケンローの軌跡 「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」

文/大谷暁(モノ・マガジン編集部)

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テニス史上に残る名対決 ボルグVSマッケンローの軌跡 「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」


スポーツをテーマにした映画は星の数ほどあるが、実はテニスを描いた作品は意外にも少ない。サスペンスの巨匠ヒッチコックの「見知らぬ乗客」(51)は、主人公が有名テニスプレイヤーという設定だが特にテニスにフューチャーしているわけではない。70年代には当時「ジェレミー」(70)で人気沸騰中のグリニス・オコナー主演の「リトル・モー」(78)(日本では劇場公開されたが本国アメリカではTV用としてつくられた作品)やスティーブ・マックイーンの元奥さんだったアリ・マッグロー主演の「ウィンブルドン 愛の日」(79)などがあるがどちらも作品的にはイマイチだった。

日本ではスポ根漫画「エースをねらえ!」が人気だった頃でもある(アニメも)! それからテニスを描いた作品はほとんど見当たらなくなり、久々に観たのは「ウィンブルドン」(04)だった。主演は「ヴァージン・スーサイズ」(99)で人気のキルスティン・ダンスト嬢でスマッシュヒット(テニスだけに)を記録した。最近では実在の女子テニスプレイヤー、ビリー・ジーン・キングを「ラ・ラ・ランド」(16)のエマ・ストーンが演じた「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(17)もある。こちらも評価が高い。

そして今回紹介するのは、まさにテニス映画の真打ち的作品。タイプが違うふたりの天才テニスプレイヤーの初対決を描いた「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」がそれだ。当時、筆者は圧倒的に悪童マッケンローが好きだった。マッケンローは私生活では「ペーパームーン」(73)のテイタム・オニールと1986年に結婚(92年に離婚)。日本の歯磨き粉のCFにふたりで登場し「歯槽膿漏にはマッケンロー」なんて言ってたのも懐かしい(笑)。

マッケンローを演じるのはシャイア・ラブーフ。「トランスフォーマー」シリーズの主役も良いが、個人的には「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(08)で演じたインディの息子役が好き。破天荒ぶりは今回のマッケンローに近いかも! 一方のボルグを演じるのは「あの問題作「ドラゴン・タトゥーの女」(11)の続編に主役として抜擢されたスベリル・グドナソン。彫刻のようにカッコ良い風貌はまさにクリソツ。1980年ウィンブルドン決勝戦。世界中が注目する中、エレガントなプリンス(ボルグ)とワイルドな野生児(マッケンロー)がついに激突!

このテニス史上、いやスポーツ史に刻まれる究極の名勝負の行方は……。頂点に立つ者(ボルグ)と追いかける者(マッケンロー)の孤独と葛藤を描き、生きるか死ぬかのギリギリの鬼気迫る闘いが始まる。互いの人生のすべてを賭けた極限の3時間55分がそこにあった。リアルタイムでこの試合を鑑賞した人は、もちろん、ふたりを知らない人でも充分楽しめる感動のトゥルーストーリーとなっております! 

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男

2017年/スウェーデン、デンマーク、フィンランド/108分
8月31日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開 配給:ギャガ

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