#306 革命的SF映画が新たなる奇跡を生み出す! ブレードランナー 2049

文/大谷暁(モノ・マガジン編集部)

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「ブレードランナー」(82)は、SF映画の最高峰とされ、1993年にアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に永久保存登録された傑作である。日本では同年夏にロードショー公開されたが「E.T.」(82)の大ヒットの陰に隠れるという不運もあり早々と上映は打ち切られてしまった。しかし、そのことが逆にカルトムービー化するきっかけとなり、アパレルやマスコミ関係者の多くから支持されることになる。まだレンタルビデオが普及していない時代だったため、高価な輸入版ビデオを探し回ったのを思い出す。そう言えば西麻布や青山界隈のカフェバーなどでよく映像が流されていたっけ。

また幾つかのバージョンが存在するのも今までの映画とは異なる大きな特長だ。特に「ハリソン・フォード演じるデッカードが見るユニコーンの夢」とルトガー・ハウアーが目玉をつぶすシーンは有名。この作品以降、ディレクターズカット版とか、ファイナルカット版などが認知され流行り、映画の新しい流れが生まれた。

ビジュアル的にも画期的な作品で、日本的な要素がふんだんに盛り込まれている。その理由はリドリー・スコット監督が日本を訪れた際に衝撃を受けた新宿歌舞伎町をヒントにインスパイアしているらしい。この環境汚染にまみれた酸性雨の降りしきる退廃的でサイバーな未来都市は、アニメや他のSF映画に多大なる影響を与えたのは言うまでもない。そんな革命的SF映画「ブレードランナー」に待望の続編がついに誕生した。舞台設定は30年後の2049年。貧困と病気が蔓延するカリフォルニア。人間と見分けがつかない「レプリカント」が労働力として製造され、人間社会と危うい共存関係を保っているという世界だ。

前作の監督であるリドリー・スコットは製作総指揮にまわり、今年アカデミー賞8部門にノミネートされたSFドラマ「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めている。前作で主人公を演じたハリソン・フォードが今回もブレードランナーのデッカード役で出演しているのもファンにとってはたまらない。また今回の主人公Kを演じるのはライアン・ゴズリング。今年は「ラ・ラ・ランド」にも出演していて、今、最も注目度の高い男優である! 

主人公Kは、レプリカントを解任するという任務を日々こなしている孤独なブレードランナー。ところがある事件をきっかけに、決して踏み込んではならない領域に足を踏み入れ、その秘密を暴くある男にたどり着く。その男とは30年前に行方不明になっていたかつてのブレードランナー、デッカードであった…。彼が命をかけて守り続けてきた秘密とは? 
もはやSFのジャンルを超越し、人間の在り方に迫るエモーショナルなドラマだ。前作の世界観を踏襲しつつ進化した世界をさらに創造しているのも見どころ。悪夢のように描かれた未来世界は、テクノロジーの発達とともにリアルに感じられる部分もあったりして面白い。

リドリー・スコットは今年、ライフワークの集大成としてエイリアン・シリーズにも注力している。ハリソン・フォードには「スター・ウォーズ」と「インディ・ジョーンズ」というドル箱シリーズがある。2019年にはシリーズ第5作となる新作が製作される予定。まだまだ現役続行中の元気なふたりから目が離せない。前作を知っている人も知らない人も充分愉しめる作品に仕上がっておりますのでご覧あれ! 

2017年アメリカ映画/2時間43分/2D・3D
10月27日(金)全国ロードショー! 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 
ブレードランナー

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