#301「エイリアン誕生」の想像を絶する事実! エイリアン:コヴェナント

文/大谷暁(モノ・マガジン編集部)

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シリーズ第一作の「エイリアン」(79)は、世界中で大ヒットを記録し、今まで宇宙人と呼んでいた生き物のことをエイリアンと呼ぶきっかけになった映画でもある。後に公開されたスピルバーグ監督の「E.T.」(82)に登場する地球に取り残された地球外生命体が善として親しまれた存在ならば、「エイリアン」は、凶暴な悪の限りを尽くす怪物として今もなお君臨している。当時巷では、インベーダーゲームが流行っていたが、1980年には「平安京エイリアン」というアーケードゲームまで登場した。それ以降、世の中に「エイリアン」という名称はすっかり浸透していった。

で、今回紹介する「エイリアン:コヴェナント」は、そんなエイリアン・シリーズの最新作だ。前作「プロメテウス」(12)に引き続きメガホンを撮るのはシリーズの生みの親であるリドリー・スコット監督。79歳ながら精力的に現役で活躍する姿はスゴイのひと言。ライフワークの集大成としてこのエイリアン・シリーズ(たぶん3作目もある)を完結させることと、10月に公開される「ブレードランナー2049」(17)で、ブレードランナー・シリーズをしっかり描き切ることは、もはや彼の使命なのだ。そして多くの映画ファンもそれを待ち望んでいる。脚本が途中で変更されたりしてドタバタの末に完成した「プロメテウス」は、確かに突っ込みどころ満載の作品であったが、筆者的には、それを含めてもまあまあ楽しめた。随所に謎を残したままのさまざまなコトが明らかになっていく。
 
 人類初の大規模な宇宙への移住計画のため、滅びゆく地球を旅立った宇宙船コヴェナント号は、コールドスリープ中の2000人の入植者を乗せ移住先である惑星オリガエ6を目指していた。その航行の途中、大事故に見舞われたコヴェナント号は女性の歌声が混じった謎の電波をキャッチし、発信元である惑星へ、急遽向かう(寄り道しなきゃいいのに…)。到着した惑星は神秘的で、女性乗組員ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)にとっても、人類の新たな希望の地に思えた。そしてダニエルズの前に現れた完全な知能を持つアンドロイド(マイケル・ファスベンダー)は敵なのか、それとも味方なのか? そしてエイリアン誕生をめぐる驚愕の真実とは一体何なのか…。やがてコヴェナント号にもエイリアンの脅威が迫るなか、ダニエルズは哀しみを乗り越え、あまりにも過酷な運命に立ち向かっていくのであった…。

「プロメテウス」にも登場したレプリカント、、いやアンドロイドのファスベンダーは、まるで「ターミネーター」(84)のシュワちゃんのよう(旧型ターミネーターはみんなシュワちゃん)。もはやファスベンダー型アンドロイドとしての地位を確立させている(次も登場するでしょう)。「ターミネーター」の監督ジェームズ・キャメロンは、「エイリアン2」(86)の監督でもある。なんだか微妙なエイリアン繋がりとなっている。

タイトルの「コヴェナント」とは約束か聖約という意味らしい。神様と約束を果たす旧約聖書など、ユダヤ人が歩んだ過ちの道をSF仕立てで再現しているようにも見てとれる。単なるエイリアン映画と思うなかれ。実は深い深いお話なのですよ。とにもかくにも一見の価値アリです。興味のある方は劇場へ足を運んで下さいませ。

9月15日(金)全国公開! 配給:20世紀フォックス映画
 
 
エイリアン:コヴェナント

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