#287 次世代たばこ、三者三様

文/小野正章(モノ・マガジン編集部)

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「アイコス 2.4 Plus」には加熱開始・終了を知らせるバイブレーション機能や明るい場所でも作動状態がはっきりわかるように高輝度の白色LEDが搭載された。


喫煙に対する世間の視線はますます厳しくなる一方。厚労省から受動喫煙防止法案が国会に提出され、議員を二分する討論が巻き起こったのは記憶に新しい。こうした喫煙文化への逆風の中、紙巻きに代わる新しいたばことして注目されているのが、「加熱式タバコ」とか「タバコペイパー」と呼ばれる次世代たばこ。この分野では、販売で先んじていたフィリップ モリスの「アイコス」の人気がダントツだったが、昨年はJTが「プルーム」の新型「プルーム・テック」、今年に入りBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が「グロー」を発表。そして3月には新型「アイコス」も登場し、次世代たばこは群雄割拠の様相を呈してきた。そこで今回は、これらの似て非なる3つの次世代たばこの特長を検証していきたい。

まず、誤解のないように知っておいてほしいのは、若い世代で流行している「電子タバコ」と「次世代たばこ」は一線を画す喫煙具であるということ。前者は専用デバイスを使ってリキッド(香料)を蒸気化して吸い込み、その風味を楽しむのに対し、後者は専用タバコをデバイスで過熱し、その蒸気を楽しむもの。つまり電子たばこには“たばこ葉”は含まれていないが、次世代たばこはあくまで本物の“たばこ”なのである。

では、それぞれの次世代たばこについて解説しよう。ますば2015年9月に発売が開始され、加熱式たばこの先鞭をつけた「アイコス」。その仕組みはヒートスティック呼ばれる本体内に専用たばこを挿入。加熱ブレードで温めて水蒸気とともにニコチンを摂取するというもの。通常のたばこが800℃前後もの高温になるのに対して、電気で温めるアイコスの温度は350℃ほど。燃やさないため有害物質であるタールはおよそ9割も削減した。肝心のたばこは、同社の旗艦ブランドであるマールボロを採用。これを加熱ブレードで温めて吸うことで、通常の紙巻きと同様、1本につき6分間14パフほど楽しむことができる。ちなみに、愛用者は国内ですでに140万人を突破というからまさに独走状態。この3月には東京銀座に「IQOS ストア銀座」もオープンし、高性能モデル「アイコス 2.4 Plus」も登場。新型は従来は6分ほどかかっていた充電時間を5分に短縮し、加熱ブレードの改良によって、よりたばこらしい喫味が得られるようになっている。

一方の雄がJTの発売する「プルーム・テック」。こちらはアイコスに先駆けて販売していた「プルーム」の進化バージョンとして昨年春に発売を開始した“たばこペイパー”だ。その原理は本物のたばこ葉を細かく刻んで顆粒状にしたカプセルに、霧化したリキッドを通し“たばこペイパー(霧化したたばこ成分)”を発生させるというもの。これによってたばこ葉由来の嫌な臭いを低減しながら、たばこらしい味と香りが満喫できるのだ。たばこ葉は燃やさないため煙の臭いがなく灰も出ない。また、1個で50パフが目安というたばこカプセルの持続力も特筆できよう。本体の形状はもっとも紙巻きたばこに近いので、違和感なく“紙巻き→次世代”へと移行できそうだ。ちなみにたばこカプセルの銘柄にはJTの主力商品である「メビウス」を採用。現在は本体の生産が追い付かず、販売は停止されているが、6月には都内で、来年上半期には全国で発売される予定だ。

そして最後が、この春より仙台で先行発売を開始した「グロー」。BATが満を持して発表しただけに画期的な機構が採用されている。それが専用スティック(たばこ)を全方位から包み込むように温める全方位加熱方式だ。リキッドを加熱して蒸気を発生させ、たばこ葉に蒸気を通過させる過程でたばこ成分を取り込む方式に比べ、加熱ムラがなく急にコゲ臭くなるトラブルも回避できるのだ。同時に臭いも低減し、有害性物質を約90パーセント削減している。また、使い勝手の面では充電・過熱が本体だけで完了するオールインワン設計というのが嬉しい。たばこのスティックをテーブルなどに直置きせずに済む設計も清潔好きな日本人向きといえるだろう。たばこスティックの銘柄にはケントを採用。全国展開は年内と発表されている。

こうして3つの次世代たばこを見てきたが、正直なところ性能面で優劣をつけることは難しい。むしろ、自分好みのデザインやたばこの銘柄でチョイスするのがいいのではないだろうか。

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ヒートスティックの内側から直接加熱させることで、たばこ本来の味わいが楽しめる最先端のヒートコントロールテクノロジーを採用。

「アイコス2.4 Plus」の登場とともに新フレーバー「マールボロ・ヒートスティック・スムース・レギュラー」、「同パープル・メンソール」も発売された。

もっとも“たばこ”らしい形状なのがJTの「プルーム・テック」。スターターキットにはバッテリー、USBチャージャー、キャリーケースが付く。

先端にたばこカプセル、その下にはカプセル5本分のリキッドか付く。たばこ葉は燃焼させないため、臭いの濃度は紙巻きの0.2%。

たばこカプセルはメビウスブランドより、「レギュラー」、「クーラー・グリーン」、「クーラー・パープル」の3銘柄をラインナップ。

自立形状を採用した「グロー」。スターターキットには、たばこヒーター本体のほかUSBケーブル、クリーニングブラシ、ACアダプターが付く。

グローには人との差別化を図るため、さまざまなデザインのパッケージも用意された。グロー購入後にweb登録すれば入手可能。

たばこスティックを全方位から温めるため加熱ムラがない。

「グロー」専用の「ケント・ネオスティック」。「レギュラー」、「メンソール」、「強メンソール」の3タイプが用意された。