#279 街を歩けば….。

文/小野正章(モノ・マガジン編集部)

moweb

皆さん、現在発売中のモノ・マガジン2-16号で「散歩にGO!」という、ゆるい企画があることに気づかれましたか? 巻末に近い142ページから始まる小特集のため、ひょっとして読み飛ばされてしまってないか、ちょっと心配。もし読んでいない方は、散歩の効用など為になる内容なので、ぜひぜひご一読ください。

この特集の担当者としてもっとも力が入ったのは、150~151ページの「東京ナントカ散歩のススメ」。散歩するにもモチベーションが必要だろうということで、散歩の目的を設定して、気軽にできる散歩から、目的達成にはやや苦労する散歩、ちょっと体力が必要な散歩、そして散歩のあとのお楽しみまで、5つのテーマを紹介した。テーマの設定がやや安易? いえいえ、無理なく続るためにはハードルを上げ過ぎてはいけない。

実際、この5つに落ち着くまでにさまざまな目的を想定して街を歩いた。だが、これがなかなかうまくいかない。たとえば猫や鳥や亀など、街の野生動物(?)を探すというテーマで歩いても、実際にはほとんど出会うことがなかった。まぁの寒い時期に出歩く猫は少ないだろうし、亀だって冬眠中だろう。そこでヘンな看板やオブジェを探してみたものの、いくら歩いてもかつてのサブカル誌『ビックリハウス』にあったようなインパクトのある看板は見られない。当初から坂道や暗渠や痕跡探しなどは、テレビ番組の二番煎じのようで除外していたこともあり、なかなか“これだ”というテーマが見つからなかった。

とはいっても、細部に注意しながら街を歩けば、普段気づかなかった発見が随所にあったことを記しておきたい。なぜここにこんなオブジェが? この落書きになんの意図が?(落書きに意味を求めるのもなんだが…)この大木はいつからここに? といったように、普段は当たり前に見ていたものでも、ちょっと疑問をもって観察すれば、なかなか想像が膨らんで楽しくなってくる。

というわけで、皆さんも春の陽気に誘われてぜひ散歩に出かけて、新しい何かを発見をしてほしい。

では最後に、今回の特集ではテーマとして成立しなかったものの、なかなか見ごたえのある(?)街の風景が撮れたのでここに公開しておきます。

不気味にエイジングされたライオンとパンダの像。これでも昔は子供たちのアイドルだった?

電柱によく見かける落書きアートの一形態。さまざまなパターンがあるが、いったい誰が書いてるの?

※本ページ掲載の写真は、クリックすると拡大してご覧いただけます。

吉祥寺・井の頭池に浮かぶスワンボート。一艘だけ怒った顔のスワンがいること、知ってた?

目白に残る銭湯。年季が入っているものの瓦の彫刻や漆喰画がとても味わい深い。

天ぷら・総菜屋さんで発見した猫の彫刻。天ぷらを狙う猫とは、なかなか秀逸なアイデア。

家が先に建ったのか、木が先に生えていたのか(多分、木が先)。遠慮がちに建つ家が印象的。

民家の納屋になぜか鐘。どんな目的で鳴らすのだろうか?