#252 クルマ好きのヨタばなし、つれづれ(カタログ編)

写真・文/サクライダー(モノ・マガジン編集部)

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先日、自身で2輪生涯30ン台目となる愛車「ホンダ クロスカブ」を購入しました。色はもちろんパールコーンイエロー! これで千葉・房総の林道を走るのだ。

さて、バイクでもクルマでもそうですが、自分の場合買うのはほぼ中古車。そして購入後の儀式というかお楽しみなのが当時のカタログを入手することです。今回のクロスカブは新古車(ナンバー登録がすでに済んだ新車に限りなく近いクルマのこと)なので、青山1丁目のホンダさんに行けば現行販売モデルということでカタログの入手は簡単です。

しかし10年前、20年前のクルマとなるとはなしは別。で、どうするかといえば自分の場合、中野・新井薬師にあるカタログ専門店へ行くのです。こちらは日本でも珍しいクルマとバイクのカタログ専門店。最新のモデルから、なんと戦前の日本の自動車メーカーのものまで、恐ろしいほどのバリエーションをストック。クルマ好きの自分にとって、こちらのお店は国立図書館以上の存在なのであります。

面白いのはこちらのお店、直接カタログの買い取りもしている点。つまりクルマ好きから買い取ることで予想外のモノが入荷するということ。絶版車としての人気車(たとえばトヨタ2000GTとかね)だけでなく、不人気車ゆえにマニア心をくすぐるモデル、商用車マニア(いるんですよ、昭和の貨物トラックしか愛せないという人が)の手から引き継いだセピア色の働くクルマまで。仕入れをコントロールしている書店の棚とは違う、偶然の出会いもこのお店に足を運ぶ醍醐味、というわけで。ちなみにこちらのお店、HPをもたず、ネットでの販売もなし。中古カタログの性質上、すべてコンディションが違うのでこのあたりを自身で確認しつつ購入するというスタイルなのです。

とはいえ、これまで自分が入手した20冊ほどのカタログはどれも極上。一番古いモノは72年のシボレーピックアップトラックの総合カタログでしたが、独特なインクの匂いとアメリカらしい写真と紙の色合いは驚くほど鮮明。愛車のシボレーはサビと凹みで出来たレストア前提のいわゆる「プロジェクトカー」ですが、このカタログのページをめくれば新車当時のキラキラが脳の奥を刺激。ぐわんばって再生してやろう、と思わせてくれるのです。

また、80年代やバブル期のカタログはデザイン的にもお金が掛かっている感が満載。雑誌編集者としての参考書にもなるし、額装すれば立派なアート。版型もデザインもさまざまな「カタログ」の世界は、クルマ好きにとってのタイムマシーンであり、作品であり、エナジードリンクなのであります。

※本ページ掲載の写真は、クリックすると拡大してご覧いただけます。

同じクルマのカタログでも入荷したコンディションにより価格の幅があるのは当然。人気モデルでもカタログの流通量が多かったものは価格が安かったり、逆に当時不人気車種だったものはカタログが少ないため高価になったり……。実際のクルマの人気や価格とカタログの価値がリンクしない、というのも面白いところ。

BOOK GARAGE(ブック ガレージ)のオーナー、高橋さんご夫婦。14畳ほどのけして広くはない店内にはビンテージ、メーカー、国別、商業車などがわかりやすくジャンル分けされる。お手頃なもので500円~。

昭和の名車、戦前のビンテージモデルなどは目安として5000円~。膨大な量だが、きっちりと整理されているので狙いを定めた車種にたどり着けるスピードは速い(ただし寄り道してしまうこと必至!)。店内にはほかに自動車整備工場向けに製作されたサービスマニュアルやパーツリスト、ミニチュアカーに自動車専門誌(お馴染みカーグラやカーマガ)のバックナンバーも。

10代のころ姉から譲り受けた2代目「80年 マツダファミリア」の初版カタログ。なんとイメージキャラクターは北大路欣也! 「ラウンジソファーシート」と名付けられたツイード調のシートと車内を回り込むようなレイアウトは当時新鮮でしたね。これで九十九里の海へ波乗りに行ったのが昨日のよう。いや30年ほど前の話です。

自動車趣味の店 「BOOK GARAGE」
住所:東京都中野区新井1-36-3
☎03-3387-5168
営業時間: 平日正午~20時
日曜日は11時~19時
定休日:毎週木曜日/第二水曜日