[#218]羽釜の大火力を小サイズで! 日本初の自動式電気釜を開発した東芝の、新たな挑戦

文/和田史子(モノ・マガジン編集部)

mowebかまど本羽釜

かつて、炊飯器がまだ世の中になかった頃、ごはんは“竃(かまど)”で炊かれていた。土間に備えられた大型の竃に大量に薪がくべられ、分厚い木蓋でしっかりと閉じられた羽釜の中で炊き上がったごはんは、米ひと粒ひと粒にふっくらと弾力があり、噛めばじんわりと口の中に甘みが広がる、極上の味。

その大火力による美味しさを、電気のチカラで叶えようとしている現代の炊飯器は、象印「極め羽釜」、パナソニック「Wおどり炊き」、三菱電機「本炭釜 KAMADO」、タイガー「THE たきたて」など、名称も個性的な10万円超えの最高級炊飯器が割拠する状態。中国人による“爆買い”効果も加わって今、売れに売れているのだ。

東芝から“2.5合炊き”が登場

ところが、1世帯の人数が減っている現代の日本人にとって、最上位モデルに当たり前のサイズ、5.5合炊きはいささか手に余るのも事実。そこで最近増えているのが、最大2合〜3.5合炊きのプチサイズだ。これなら電気代も設置スペースも重量も、何より本体価格まで控えめなのがうれしい。

今回、このプチ高級炊飯器を発表したのが、1955年に国産第1号の自動式電気釜を発売し、日本の炊飯にイノベーションを起こした東芝。見た目にそれと分かる昔の羽釜そっくりの形状の内釜が特徴で、羽上部の広い沸騰空間など竃炊きの大火力を再現できる構造・技術を凝縮した最上位機種「備長炭かまど本羽釜」を、そのままサイズダウンし最大2.5合に設定した。
 
 

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≪写真左≫羽釜を踏襲した形状が個性的。羽の上部に高さ5cmもの空間を設け、沸騰しても吹きこぼれることがないので火力を制御する必要がない。この連続する大火力と丸底形状によって、米が釜内部で激しく対流するのだ。
≪写真右≫白米と玄米を層状に入れ炊飯した実験結果。炊き上がりには、白米と玄米が混在しており、内部で激しい対流が起こったことがよく分かる。


釜の中の状態プチサイズでも、自慢の火力を発揮。1000Wの大火力で連続沸騰(同クラス最高火力)。写真のように、沸騰しはじめてからごはんはみるみる膨らんでいくが、その間も火力を緩めることなく連続して沸騰させ続けることで、ごはんの甘みのモトとなる“おねば”を最大限引き出し、米粒の周囲をコーティングする。写真は、釜内部の様子を外側から覗けるよう細工した機材。


04炊き上がりの様子。ごはんのひと粒ひと粒がしっかりとふくらんで立ち上がっており、“おねば”のコーティングにより表面はつややかだ。試食してみたが、粒感と噛んだときに感じる強い弾力、さらにじわじわと滲み出てくるような米の甘みを実感!

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繊維質が多く、成人病予防に効果があると、今注目されている大麦。専用炊飯コースと専用の水位線も搭載して、簡単に“麦ごはん”を炊けるようになっている。

PM06-1東芝
真空圧力IHジャー炊飯器
備長炭かまど本羽釜
RC-4ZWJ
価格オープン(予想実勢8万5000円前後)
2016年1月上旬発売予定

PM06-2

PM06-3RC-4ZPJ
価格オープン(予想実勢6万5000円前後)
2015年11月中旬発売予定

【問】東芝 ℡0120-1048-76
http://www.toshiba.co.jp/living/rice_cookers/


■プチ高級炊飯器が続々!


A
日立 
IH炊飯器 打込鉄釜 おひつ御膳
RZ-VS2M
価格オープン(実勢3万円前後)
【問】日立 ℡0120-3121-11
http://kadenfan.hitachi.co.jp/

少量炊き炊飯器のパイオニア。おひつ部を炊飯機能を搭載した本体から外して持ち運び、食卓へ供せるという、まさにおひつとしての使い方を提案している。最大炊飯量2合。

B
パナソニック
Jコンセプト
可変圧力IHジャー炊飯器
SR-JX055
価格オープン(予想実勢7万6000円前後)
【問】パナソニック ℡0120-878-365
http://kadenfan.hitachi.co.jp/kitchen/lineup/rzvs2m/

5.5合炊きの上位モデルと同じく、独自技術“可変圧力おどり炊き”を搭載。加圧と減圧を繰り返すことで激しい対流を起こし、米の旨みや甘みを引き出す仕組みだ。最大炊飯量3合。9月20日発売予定。

C
象印
圧力IH炊飯ジャー
極め炊き 南部鉄器 極め羽釜
NP-QS06
価格オープン(実勢11万円前後)
【問】象印マホービン ℡0120-345135
https://www.zojirushi.co.jp/syohin/ricecooker/

最上位モデルと同じく、日本の伝統工芸“南部鉄器”の技術を応用した内釜が特徴的。発熱・蓄熱効率に優れるという鉄の作用をうまく炊飯器に取り込んでいる。最大炊飯量3.5合。