[#208]ちょっとイイことあった日の 「ぱっかーん」

文/桜井靖人(モノ・マガジン編集部)

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img001グラフィックデザイナー、角 和輝(すみ かずき)氏のミニ鏡開セット、土産樽「タイル富士」。北斎の名作浮世絵を銭湯のタイル柄で表現したもの。


日本人なら誰でもやってみたい「鏡開(かがみびらき)」。

でも、あなたの周りでぱっかーん、とやった人、いないですよね。はい、私も。

そんな、誰もが憧れていながらおそらく今後の人生においても期待薄な経験を気軽にさせてくれるのが岸本吉二(きしもと きちじ)商店の「ミニ鏡開きセット」(価格7560円)。

内容は18㎝×17.5㎝、720mlの小さな菰樽(こもだる)本体に鏡板(ふたの部分ね)、ミニ小槌、朱桶、5勺の木枡(2個)。

キモとなるのはフタの部分。3枚に分割したマグネット式の鏡板は小槌で中心を叩くと、ちょっと大げさかもしれないが、まるで一枚モノの鏡板を割ったかのような手ごたえ。音も、ぱっかーん、とまではいかないが「ぱこんっ!」と、なかなかのモノ。

これはマグネットの強さや小槌のサイズ感などがうまくバランスしているからだろうなと割れた板を手にうなるばかり。もちろん容器に日本酒を入れてやれば、祝いの酒が笑い、飛び散る緊張感はフルサイズと遜色なしだ。

さてこの商品、じつは叩いて喜ぶだけのモノではない。どうにも本気な佇まいは明治のはじめに創業した老舗の菰樽(こもだる)メーカーの職人の手によるもの。つまり、職人による本気の遊び心というわけ。

ちなみに岸本吉二商店のある尼崎は日本屈指の酒どころに囲まれ、菰樽を覆う菰縄作りが地場産業として発展。いまでも全国の酒造会社のほとんどが尼崎で作られているという。

飾っても映えるその樽。デザインはこってこての和モノから関西のグラフィックデザイナーとコラボしたモダンあり、日本の四季をテーマにしたモノまであり、と実に多彩。

またオリジナルデザインの鏡開き樽のオーダーも可能ということなので、会社で部署ごとの樽を作ったり、子供の誕生祝いにしたり。ちょっとイイことがあった時の古くて新しい習慣にこれはイイぞと。

img002岸本吉二商店では、「ミニ鏡開きセット」のほかに直径9㎝ほどの菰樽にてぬぐいを入れた「こもらぼ」や増樽に天板を組み合わせたテーブルやストレージなどの「菰樽家具」なども企画。

今年で25周年を迎えた国際見本市「インテリア ライフスタイル」。www.interior-lifestyle.com
その会場でみつけたのが、岸本吉二商店の「ミニ鏡開セット」。

img003発売元:岸本吉二商店http://www.komodaru.co.jp/
問:リアルジャパンプロジェクトwww.realjapanproject.com

img004はじめて知りました鏡開の掛け声。「ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ」と声をかけ、3回目のヨイショにタイミングを合わせて木槌を振り下ろす。
※ミニ鏡開セットの使用方法より。