[#201] 岡本太郎の言葉を聞け! 2014.10.1(Wed)~2015.2.15(Sun)

文/ものまが男

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ここだけの話だが、青山の骨董通り付近でちょっと時間があると(なくても)、ここにブラブラしに来ている。そう、岡本太郎記念館。

 岡本太郎記念館は太郎の自宅/アトリエを記念館の名でミュージアム化したもので、実際に創造していたアトリエやリビング、奇妙に南国風味な庭などが活用されている。要は太郎のどことなく息遣いがまだ聞こえるような、都内超一等地の一本裏の、静かな3.5次元空間である。

直近では「太陽の塔」に耐震工事や地下展示室の新設を行い、2016年度に一般公開するといううれしい情報で多くの人が再び太郎や太陽の塔に思いを馳せているが、その話題の太郎の「岡本太郎記念館」で、10月1日より特別展「岡本太郎の言葉」が開催されている。

 太郎は70冊を超える著作をもつ作家、言い換えれば言葉のアーティストとしての顔ももっており、それらの言葉の断片断片にすらパワーがみなぎっているのは恐れ入る。しかるに、その言葉だけに着目したというちょっと異形な展覧会を開催し得たといえよう。

 本展に時を同じくして、生前の彼の連載より再構成した新刊『自分の運命に盾を突け』(青春出版社)が発売となった。記念館でも売っている。私もさっき読了したけれど、本書は『週刊プレイボーイ』(集英社)に1979年から1981年にかけて連載された「にらめっこ問答」をベースに再構成されたもので、当時のプレイボーイといえば中心読者は高校生~20代が中心のほぼ男湯祭り状態の本だったろうから、太郎の語り口も大声で叱咤激励するというより、年若き可能性の塊たちを教え諭すよう。読者が現実に直面した困難の具体的な解決策を提示するような内容ではないが、さながら漢方薬のように、日々自らに取り込むことでじわじわ本来の調子に戻すような、そんな一冊といえる。メディアではすごい形相をして睨めつけるちょっと変わった芸術家、というイメージが先行(というかほとんど)している太郎だが、その内実のやさしさに気付ける一冊、または、特別展といえる。

そして話はUターンして、ものまが男がしばしば立ち寄るという件。岡本太郎記念館の入館料は大人が620円、小学生が310円なのだが、実は「TARO PASSPORT」という年間パスがある。会費3000円を払ってこれを入手すると、入館はフリーパス、ショップやカフェでの割引、イベント情報の案内など特典が一年間受けられる。初体験の方は「岡本太郎の言葉」展にまず行って、気に入ったら、パスポートを買うことをお勧めする。年5回以上行っちゃうなぁ~と思ったら、そっちのほうが得である。平日の静かな午後に、一息つく場所を南青山にもっているなんて、ちょっとした贅沢ともいえる。

 特別展を見れば「芸術は爆発だ!」が、太郎の一側面に過ぎなかったのだなということがよくわかる。なお、展示場内に敷き詰められている太郎の言葉のプリントは、一人一枚、持ち帰りが可能。なんだかちょっと、元気がわいてくる。

岡本太郎記念館
住所:東京都港区南青山6-1-19
電話:03-3406-0801
営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:火曜日(祝日の場合は開館)
入館料:一般620円、小学生310円
ギャラリートーク:10月15日(水)、11月12日(水)、12月11日(木)、1月15日(木)の14:00より15~20分程度
http://www.taro-okamoto.or.jp/

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岡本太郎記念館正面

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展示室内部

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展示室に敷き詰められた太郎の言葉プリント。来場者は一人一枚持ち帰ることができる

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太郎生前のアトリエ。現状保存されている

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『自分の運命に盾を突け』(青春出版社) 岡本太郎・著 1200円+税