[#200] かつてないフォルムと素材を駆使した精密機械、登場!

文/小野正章(モノ・マガジン編集部)

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まずは上の写真をご覧いただきたい。これ、いったい何でしょう……?
「スタートレック」のエンタープライズ号にも似たこの物体。じつはスイスのリュージュ社が発売を開始した「ミュージック マシン2」という名のオルゴールである。
 スイスの製造業といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが腕時計であるが、同じ精密機械であるオルゴールもスイスならではの特産品。実際にリュージュ社の本拠地であるジュラ地方のサント・クロアは、オルゴールの里として知られ、ほかにも時計やオートマタ(自動人形)といった精密機械の製造でも有名な山村だ。その中心部にはオルゴールを始めとする精密機械を集めた「シーマ(CIMA)」という博物館だって存在する。
 さて、この「ミュージック マシン2」だが、なぜこのように仰々しいフォルムをしているのだろうか。それはこのデザインをラグジュアリー・ウオッチメーカーのMB&Fが担当したから、という言葉で納得した方は相当な腕時計通。このメーカーを率いるマックス・ブッサー氏は、かつて高級宝石商ハリー・ウィンストンの高級腕時計「オーパス」シリーズの開発を主導したとして、時計界では超有名な人物だ。この人が独立して興したウオッチメーカーがMB&Fであり、そこから輩出される作品は唯一無二の斬新なデザイン(もちろん機能も)で知られている。そして、この両社とJMCルシア(音響システムの開発)が結びついて完成したのが、2013年の「ミュージック マシン」だった。さらに、その第2弾として発表されたのが、このたびの作品なのである。
 とは言ってもこのフォルムは決してギミックなどではなく、Nomex®や炭素素材などの先端素材を駆使しながら、計算し尽くした共鳴装置を内蔵し、美しくて力強い音色を奏でるのだ。
 ちなみに本体には2本のシリンダーが搭載され、片方はレッド・ツェッペリンの「天国への階段」、ローリング・ストーンズの「アンジー」、ザ・クラッシュの「ステイ・ア・ゴー」。もう一方ではジョン・ウィリアムズの「帝国の逆襲 メインタイトル」と「帝国マーチ」、そしてジェリー・ゴールドスミスの「スター・トレック メインタイトル」を奏でるというから興奮するではないか!

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25世紀をイメージして製造されたという「ミュージック マシン 2」。円形部分は音が共鳴するアルミ製のレゾナンスドーム。内部響板にはハニカムNomex®と炭素繊維バーを挟み樹齢350年のトウヒ松を採用。ゼンマイをフル巻き上げ時の持続時間は各シリンダー約15分。幅300×縦511×高さ168㎜。重量約8㎏。
【問】リュージュ販売:052-934-2181

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こちらは2013年に発表された第一弾「ミュージック マシン 1」。エンタープライズ号に対してこちらはウイングを閉じた状態のXウィング・スターファイター風?