[#165] ありがとうございました

文/本田賢一朗 (モノ・マガジン編集部)

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一昨日に発売された「鉄道大研究」。いかがでしょうか。
この特集ではいろいろと小社の鉄道ご意見番、青木カメラマンと企画を相談しました。

会話の中で出てきたのが、「昔JRや東京・大阪の大手私鉄を走っていた車両が、いま地方私鉄に譲渡されて数多く走っている。これを取り上げたら面白いんじゃないか」という話。

確かに地方私鉄の多くに車両が譲渡されていますが、ではどこに取材を依頼しようか? 浮かび上がったのが、長野駅~湯田中駅を結んでいる長野電鉄。地元の足として、そして志賀高原や渋温泉、地獄谷温泉などへの観光客の足となっている地方私鉄です。

ここには昔小田急電鉄で走っていたロマンスカー10000形、そしてJR東日本で空港アクセス特急として走っていた元成田エクスプレス、253系が譲渡されて走っています。

まずは先方にこの特集を説明し、そして長野電鉄を取り上げたいという取材を申請。ただ、単に車両を撮影させてもらうだけでは、何か物足りない。せっかくならば、この2車両と通勤・通学の足として活躍している8500系(→こちらは元東急電鉄の車両)を並べてもらいたい。そこで、拙いながらもこちらのイメージを絵に描き、担当の方宛てでFAXをしました。

取材日当日。期待を胸に長野新幹線に乗り込み、いざ長野へ。ここからいよいよ長野電鉄に乗り、車両基地がある須坂へ向かいます。取材の時間よりもかなり早く長野に着き、電車の走行写真を撮っていた私が須坂に着いたのは、それでも約束の時間よりも2時間前。

となると、こちらのイメージ通りに車両を並べてもらえるか、気になりますよね? 駅の2階から車両庫を眺めてみると、

「オオーーーーーッ!」

ロマンスカー10000形(長野電鉄では1000系)と元成田エクスプレス253系(こちらは現2100系)が並んでいるではありませんか! スゴイッ!

でもまだ8500系が不在です。いつやって来るんだろう(ソワソワ)……。
もうこうなると気になって仕方ありません。しばし駅の2階に滞在。

すると、やってきました8500系。こちらのイメージにリーチです。ただ、少しその8500系が飛び出すぎ。アレアレ? これじゃ3車両を入れて撮れないなぁ。あとでリクエストしなきゃなぁ……。なんて考えているうちに、ソロリソロリと8500系が動き出しました。

「オオーーーーーッ!」

イメージ完成です。しかも、長野電鉄の方が気を利かして、3車両ともヘッドライトを点灯させてくれていました。

私たちも撮影時に「やっぱこっちのほうがいいかな」と、気軽に商品の位置を変えたりしますが、鉄道車両はまったくの別モノ。たとえ3両や4両でも、ひとつの編成を動かすのは大変なことだと思います。それが、ほぼイメージ通りに並びました。取材前から、もう感激です。

無事に3編成が並んだ光景を撮影し、そのあと1000系「ゆけむり」、2100系「スノーモンキー」の車内を撮影させていただきました。そういえば長野電鉄の担当の方も、 「こんな風に並べた光景、あまり見たことありませんねぇ」と言ってたっけ。

どうしても「3つの編成を並べて撮影したい」と、先方にイメージを伝えた自分の執念もさることながら、こちらの希望に応えてくれた長野電鉄の寛大さ。改めて感謝の意を伝えなければなりません。

長野電鉄 鉄道事業部の鈴木優介さんをはじめとした長野電鉄の皆様。
本当にありがとうございました!

165_02自慢できる絵じゃありませんが、何とかこちらのイメージを伝えたくて描いたラフ。ああしたいこうしたいと言葉で伝えるよりも、視覚化したほうがきっと分かってくれるはず。

165_03iPhoneでズームして撮影したのできれいな写真じゃありませんが、次第にこちらのイメージした形になっていくようです。この時点ではまだ元東急8500系は見えていません。

165_04ついに8500系が登場。でも少し飛び出すぎ? これじゃ3編成が入らないなぁ~。約束の時間が近づいてくる中、須坂市の中でソワソワしているのは自分だけでしょう。あ、雨が結構降って来た……。

165_05 無事に3編成を“キレイに”並べてもらいました。そして撮影したのがこの写真。「ちょっと逆行気味ですみませんが、ご容赦ください」と立ち会ってくれた鈴木さん。いえいえ、もうこれだけで充分です!

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