[#79]グッド・バイ センチメンタル・ジャーニー

文・本田賢一朗/モノ・マガジン編集部

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天北線小石‐曲渕 駅間が当時、日本最長17.7kmもあった。


仕事でご一緒させていただいているカメラマン・工藤裕之さんの良書が昨年末に出た。北海道新聞社刊『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』だ。

カメラマンに結構多いのが元・鉄オタで、工藤さんもそのくちだそうだが、これは25年前“鉄男”だった16歳から20歳ぐらいまでの頃、北海道を旅して撮り歩いたものを中心に1200枚以上の写真で構成した写真集。

日本一の赤字ローカル線「美幸線」、ほとんどが昭和に消えていったなか、代替道路がなかったため平成7年まで奇跡的に残った「深名線」など、合理化の名のもと廃止されたローカル線の四季折々がフィルムに焼き付けられている。

聞けば北海道の全路線のうち7割は消えたというから、元鉄男によるこの記録は北海道鉄路の貴重な史料でもあるわけだ。

鉄道マニアならではのモノローグや、当時お世話になった駅員さんらと再会し路線跡を一緒に歩き、残る駅舎を訪れながら当時の思い出を語り合うコラムは、人を運ぶ鉄道ならではの“絆”物語(写真でいえば、国鉄・標津線西春別駅のホームで、ランドセルを開け忘れ物を探す小学生を待ってあげる駅員と列車の様子とか)。厳寒の猛吹雪を走る列車、陸海空の色のコントラストは鮮やかに一体となした短い夏の景色。

鉄道マニアであれば酒の肴にもなろうネタは沢山あるだろう。鉄分不足の方!? もゆったりと心持のよい空想旅行にうってつけ。

古いアルバムやネガを20年ぶりに見返すことからはじめ編集作業に2年はかかったとか。本棚に戻すのも手離れが悪い、いとおしさを湛えた一冊。同業者として、手がけてみたいと思う、羨ましい本でもあります。

img001『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』

北海道で廃止になったローカル22路線の沿線風景を1200枚以上のカラー写真で構成。A5判 416ページ オールカラー価格2625円
【問】北海道新聞社 ℡011-210-5175

img002中ではフラダンスの公演も1日に数回行われていました。今年はハワイの「ミス・フラ」でもある、アリアナ・セイユウさんも登場。すごい人だかりで、後ろの方に居ると見えないほどでした。

img002名寄本線 富丘‐渚滑

工藤裕之
http://www.hiroyuki-kudoh-photos.com/