[#42]今、雑誌にできること

文・徳本真弓/モノ・マガジン編集部

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この度の大震災で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

突然の激震が東日本を襲ってから、1カ月が経ちました。今は被災者の方々の安心と笑顔が少しでも増えることを願いながら、自分に何が伝えられるのかを深く考えさせられています。

16年前、阪神・淡路大震災の際に中学生だった私は地元神戸にて被災しました。祖父宅は全壊し、慣れ親しんだ自宅付近一帯には、追い打ちをかけるように火災が襲いました。地震直後は瓦礫を前に何も対処できない自分の無力さに腹立たしさを感じつつ、その後、数年をかけ家族は自宅を復興させました。

今回の災害は、阪神・淡路の際とは比べものにならない規模ですので、この程度の経験で文章を書くのはおこがましいですが、被災1カ月が経つ避難所での生活は、まだまだ先が見えず、恐怖と不安で心が縮まっているはずです。少しずつでも安心が増えることを願うばかりですが、気を紛らわそうにも、心を照らす光のスイッチの在処さえ、どこにあるのかわからなかったことを思い出します。
 
先日、知人の編集者が中心になり(あくまで個人の範疇ですが)、ロケバス会社のイーエルエスさんの尽力で、石巻市の方々に断裁予定だった小社刊行誌を含む、数社分の雑誌、約1500冊を届けていただきました。

イーエルエス代表の桜田雅巳さん曰く、
「普段、メディアやスタイリストの方々と関わっている自分自身にできることを考えて行動を起こしました。微力ではありますが、一歩先にある笑顔につながるモノを運びたいと考えています」(同じ思いを持っている方に少しでも多く賛同していただくため、本ブログへの掲載を了承いただきました)

1カ月を経た今、被災者の方々が最も必要とするものは、これからの一歩を勇気づける情報であり、モノであるはずです。

『モノ・マガジン』はモノが生まれた背景や、使いやすさを徹底的に伝えています。モノ作りに携わる技術者、クリエイターは、試行錯誤を繰り返しながらも、知恵をひねりながら、使う人の気持ちを考え、ゼロからすべてを作り上げます。これは、これから復興に携わっていく人たちの思いにも通じるような気がします。だからこそ私自身がこの雑誌に携われることを誇りに感じられるのだと思います。

雑誌を作る私たちは、これからも沢山の人に勇気を与えることを信じて、情報を発信してまいります。

img001img002石巻市役所から牡鹿半島方面に向かい、物資を統括している石巻総合運動場や石巻市立荻浜小学校など、そのまわりの数カ所の避難所に配布。

img003株式会社イーエルエスでは2011年4月13日現在、救援物資を受け付けています。現地の人の気持ちになり、笑顔が溢れるモノを送りたいですね。

【問】イーエルエス