[#13]浜松市美術館のバイク好き館長が実現させた 史上初のモーターサイクル特別展

文・サクライダー/モノ・マガジン編集部
写真・油科康司/WPP写真部

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mainハンスムートのデザインで知られる「GSX-1100刀(カタナ)」。スケッチにはハンスムートのサイン入り(!)。


9月16日売りのモノ・マガジンでオートバイの特集を担当しましたサクライダーです。正式タイトル「惚れ乗りモーターサイクル道」なのですが、テーマはずばり「ひとめぼれ」。30代、40代の男子なら、誰もが経験のある(街角、あるいはモーターショー会場など)衝撃的なモーターサイクルとの出会いをモノ・マガジン誌面で、という内容です。だから今回登場するバイクはデザイン的に尖がっている、独創性がある、それと愛すべきユルキャラ。

若者のバイク離れを嘆く現役ライダーや業界関係者は多いのですが、今回は世代も性別も完全無視! ただただ2輪界のベッピンさんを取材してますので老若男女問わず、お楽しみに。

ひとめぼれに勝る物欲なし。

さて、今回ページの都合で担当が涙をのんでスペースを縮小したのが静岡県、浜松市美術館で行なわれていたモーターサイクルの特別展「オートバイデザインの半世紀」。これはホンダ、ヤマハ、スズキという浜松生まれ、世界ブランドとなったオートバイメーカー3社の世界進出に賭けたデザインに焦点をあてたもの。

意外だが、この浜松3社揃い踏みのイベントはこれがはじめてなのだとか。

美術館の稟とした空気の中、美しくライトアップされるのはスズキの名刀「GSX-1100刀」、オーバルピストン520万円、300台限定モデル「ホンダNR」、ヤマハ「VMAX」などなど。これぞ日本発世界基準デザインというモデルがずらり。繊細にして大胆。日本のインダストリアルデザインの偉大さをいまさらながら痛感した取材班。個人的には80年代のレーサーに再び惚れなおし。

なかでも眼福だったのが各社が持ち寄った当時のデザインスケッチだ。3年越しでこの展示を実現させたという増田幸雄館長いわく「担当の方々を説得するのは簡単ではなかったですが、みなさんのご協力もあってここまで揃いました。3社のデザイン画がこうして並ぶのははじめてのことではないでしょうか。おかげさまでかなり見ごたえのあるものになったと思ってます」と誇らしげ。

たしかにめったにお目にかかることのないデザイン部門の資料はどれも社外秘扱いであろうモノばかり。他社のスケッチを見た担当者は「こうして見比べるとメーカーごとに描き方がまったく違うもんなんですね」と思わぬ発見もあったりして。メーカー側にとっても、刺激ある展示だったようだ。

ご自身も若いころはバイク乗りで「浜松の若者ももっとバイクに興味をもって欲しいですよね」と語ってくれた増田館長。こんどは神戸からカワサキさんも呼んで、国産二輪オールスターズ。またこの地で、オートバイの展覧会をぜひお願いいたします!

img001img002img003ストロボカラー、金ホイールにゼッケン1といえば、平忠彦選手の愛機! リアルタイムで「汚れた英雄(角川映画)」を観た担当者はここで小躍り。そのとなり、ゼッケン8は浜松に縁のあるライダー、故阿部孝夫選手のマシン(ホンダNS500)。阿部選手はスズキ、カワサキ、ホンダを渡り歩いた伝説のライダーだ。

img00407年の東京モーターショーで発表されたスズキのコンセプトモデル「Biplainn(バイプレーン)と3年ぶりの再会。複葉機をモチーフにしたという開放感あるデザインはどことなく現行の「ジェンマ」にも通じるものがあると思うがいかがだろう?

img005※残念ながら、この特別展は8月29日で終了。現在は、山形美術館 服部コレクション「20世紀フランス絵画の美」ピカソ、シャガールからビュッフェ、カシニョールまで‥‥を開催(平成22年9月9日~10月11日まで)。

●浜松市美術館
住所:静岡県浜松市中区松城町100-1
◎静岡県内にはヤマハ、スズキのミュージアムがあるので今回の特別展示を見逃した方は愛馬とともにそちらへどうぞ!
ヤマハ・コミニュケーションプラザ
スズキ歴史館(要予約)