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一番好きなことは趣味にして、二番目に好きなことを仕事にすべし、なんて言葉を耳にすることがある。しかし、本物のプロフェッショナルにとっては、趣味と仕事の境界線も、一番好きなことと、二番目に好きなことの境界線も存在しない。
日本を代表するキーボーディストである浅倉大介さんは、同時に作曲家であり、プロデューサーであり、プログラマーであり、さらには楽器開発者でもある。そして、そのどれもが仕事で、かつ一番好きなことなのだ。こうした人の、物事を判断する基準は、けっしてひとつの視点だけで構成されてはいないものだ。モノを選ぶ際の浅倉さんも、常に使い手の視点と作り手の視点という両面をもって、あらゆるモノに接してしまうという。
「欲しいものは、ほとんど最新テクノロジーなんですが、そのまま出てくるのではなく、どこかに作った人の意思を感じられるモノに惹かれます。たとえば、操作ボタンひとつとっても、なぜその位置にあるのか、明確な哲学が反映されているモノが好きですね。そして、こうしたモノは、必ずしも万人にとって最高の使い勝手ではないとしても、使う側を作った人の意思に合わせさせてしまうようなオーラを発しているものなんですよ」。
ただし、使う前からそれを判断することは、なかなか難しい作業でもある。それでも浅倉さんはいう「発想の時点からロジカルに整理されているモノは、見た目からもそのことが伝わってくるもの。それを豊富なデータと、ちょっとした直感から探り当てるのが、僕にとってのモノ選びの醍醐味ですね」。
見るべきはデザインに現れた哲学の残像。浅倉さんにとってはもはや、モノの表面と内面の境界線も存在しないようだ。
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Photo/MIYAKE shoji(D-CORD) Text/TAKEUCHI toranosuke(City Writes)
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