GARMINの現時点で唯一の直営ショップがこのシカゴストア。ストアの隣にはナイキタウン、さらにその2軒隣にはアップルストアが並ぶ。

デトロイトショー取材後、レンタカーでシカゴに向かう。道案内には、海外でも使えるGARMIN のPND、nuvi250を利用した。

名だたるブランドショップが建ち並ぶミシガン・アベニュー
シカゴ・ダウンタウンの中心を南北に走るミシガンアベニューといえば、内外ブランドのショップが立ち並ぶ北米有数のリテール一等地。ナイキタウンやアップルストアというブランドショップが軒を連ねるその一角に、GPSデバイス市場で高いシェアを獲得しているGARMINの直営ショップ『GARMIN Chicago Store』(ガーミン シカゴストア)がある。

シカゴストアの売り場スペースは1階と2階。両フロアをフルに使い、現在販売されているGARMIN社製品全てをディスプレイ展開している。

1階には、売れ筋PND『nuvi』シリーズや、モーターサイクル用の『zumo』、GARMIN製ナビアプリをインストールしたスマートフォン、さらにはフィットネス用の『ForeRunner』(日本版は商標の関係で『ForeAthlete』という名称で販売されている)といった製品が並び、関連アクセサリーもここで手に入れることができる。

2階は、アウトドア用のハンディGPS『GPSMAP』シリーズを中心にディスプレイされており、1989年のGARMIN社創立時から続くマリーン及びアビエーション(航空機)向けのラインナップも展示されている。またその2階にはシアタースタイルのスペースが設けられており、訪問時にも地域のリテールショップから販売員が製品説明の講義を受けに来ていた。

両フロアー共に、展示されている製品の殆どを訪れる顧客が自ら触り、実際に操作し、比較した上で購入することが出来るのもショップの大きな特徴だ。

現時点ではブランド内での販売シェアは7割以上が自動車向けのPNDタイプで、次いでアウトドア向け、フィットネスが続いている。地域性や健康志向の高まりでフィットネスタイプの伸び率は目を見張るものがあるという。

同店のゼネラルマネージャー、ジョエル・アポストル(Joel Z. Apostol)氏に設立の経緯について話を聞いた。


一極の集客率が非常に高いシカゴ・ミシガンアベニュー
Q:最初の直営ショップをシカゴ・ミシガン通りにオープンした理由を教えてください。

JA:ミシガンアベニューはシカゴ内のみならず、近隣地区からも多くの買い物客が集まるエリアです。GARMINが直営するリテールショップのロケーションとして、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどいくつか候補に挙がりましたが、最終的にここを選んだのは一極の集客率が非常に高い場所だからです。

たとえばニューヨークだとタイムズスクエアやソーホー、ロサンゼルスだとロデオドライブやサンタモニカ、ニューポートビーチ等々、他のエリアでは買い物に行く地域が複数あるのに対し、ミシガンアベニューはシカゴ近隣の買い物客が皆ここを目指して集まってくる場所なのです。立地条件を含め、この地を選んだのは正解で、ショップは成功しています。

Q:このシカゴストアはすぐ隣にナイキタウンやアップルストアがあり、アクティブで先進的なユーザーをもつGARMINの直営ショップのロケーションとしてはベストだと思います。将来的にシカゴ以外の地域への出店、複数店舗へと拡大して行く予定はありますか。

JA:現時点では具体的にお答えすることは出来ませんが、他エリアへの出店を否定することはありません。


シカゴストアのオープンは06年の11月。1階には、同店売り上げの7割以上を占めるという売れ筋PND“nuvi”シリーズや、モーターサイクル用の“zumo”などが展示される。

2階は、アウトドア用のハンディGPS“GPSMAP”シリーズを中心に、船舶用GPS、さらには航空機用GPSのデモ機まで展示されている。

航空機用GPSのデモ。操縦桿や計器類もあるシミュレータだ。シカゴストア以外ではなかなかお目にかかれない貴重な機材だ。

GARMINのGPSアプリケーションがインストールされたスマートフォンも展示。

ユニークな犬用GPS。猟犬用途などのイヌにGPSユニットを取り付け、ハンディGPSでイヌの位置を把握するというものだ。

2階にはシアタースタイルのスペースが設けられており、訪問時にも地域のリテールショップから販売員が製品説明の講義を受けに来ていた。

こちらはマリーン用のGPS。GARMINはPNDメーカーと思われがちだが、車載用だけでなく、船舶、航空機など6つのGPS機器を製造している。

シカゴストアの売り場フロア。現在販売されているGARMIN社製品全てをディスプレイ展開している。



シカゴ ミシガンアベニューの一角に、GARMIN CHICAGO STOREがある。

健康志向の高まりをうけて、フィットネス用のGPSをディスプレイする。

シカゴストア ゼネラルマネージャーのジョエル・アポストル氏

シカゴストアはテクノロジーのマーケティングと宣伝広報活動の場
Q:ショップのブランド内での役割は? アンテナショップ的な意味を持つのでしょうか。

JA:ショップは自社ブランド製品のリテールショップとしても機能していますが、もう一つ、我が社のテクノロジーのマーケティングと宣伝広報活動の場として有効に用いています。

ここを拠点に、他店舗を巡り各地のショップ店員にGARMIN製品を説明/トレーニングをする地域説明員向けの講習会を定期的に開催しています。他、地元の各団体のリクエストを受けて、製品紹介セミナーやGPSテクノロジーの紹介等を行っています。ホリデーシーズン等には、個人向けの購入者向けの“シカゴGPSアカデミー”という1時間の無料講習会も開いていますし、ヨットクラブや昨年のシカゴマラソンのスポンサーを務めるなど、地元コミュニティーにGARMINブランドを浸透させる活動も積極的に行っています。

また、冬季を除く毎週土曜日には、ミシガン湖畔のルートを走る5 - 7マイルの『GARMIN ウィークリー・ランニング・クラブ』なども開催しています。これらのイベントを通じ、GARMINのランニングウォッチの普及を進める拠点として、またインターフェイスを始め、実際に体験することでコンシューマーと我が社の製品を結びつける場所としても、ショップは重要な役割を果たしています。


GPSユニット装着率18%達成が目標
Q:GARMINはオートモーティブ、モーターサイクル(バイク)、マリーン、航空機、ハンディタイプ、そしてフィットネスと、さまざまなGPSデバイスをラインナップしているが、現在の人気商品構成を具体的に教えてください。

JA:PNDタイプではポータブルnuviシリーズが一番人気で、サイズ、基本性能、豊富なPOI情報などPNDに必要な要素がすべて備わっていることに加え、女性や高齢者、初心者でも使いやすいインターフェイスが好評です。これにストリートを読み上げる機能の付いたnuvi260は、手頃な価格でホリデーシーズンに爆発的に売れました。


Q:07年のGPSデバイス出荷台数は06年の2倍以上になると予測されています。アメリカでのナビゲーション事情についてどのように見ているのでしょうか。 またGARMINの特徴であるポータブルGPSと自動車メーカー純正のナビとのアメリカでの関係はどうお考えですか。

JA:ドライバー向けのユニットは2007年度も成長分野で、現在(アメリカで)自動車オーナーの6%がブランド問わずGPSユニットを装着していますが、それを18%に増やすのが目標です。製品を選ぶ際、使いやすさは重要なファクターです。

GARMINのインターフェイスは使い勝手を考慮して開発を進めてきました。また特に取り付けが簡単だという利便性も受けています。確かにダッシュボードに収まっている自動車メーカー純正ナビは、見た目もクリーンで魅力的です。自動車メーカーのCMを見てナビゲーションに興味を持ったユーザーが多いのも事実ですが、実際には純正品の価格の高さから実際にはポータブルタイプのナビを購入するケースも多いのです。そして結果的に、これまでナビゲーションに興味が無かった方々がナビの利便性を知ることとなり、これが業界全体の急成長につながっています。

バイク用PND“zumo”シリーズはホンダ、ヤマハなどのオプションナビとしても採用されている。

ハンディタイプナビのハイエンドモデルGPSMAP 60CSx。

車載用ナビ“nuvi”シリーズを含むPNDが売上の約7割を占めるという。

腕時計型のフィットネス用GPS、ForeRunner(日本での販売名はForeAthlete)。

航空機用GPSのデモ展示。巨大な円筒形の物体はレーダーだ。



コーナーごとに商品説明のスタッフが常駐。使い方や特徴まで、ユーザーのニーズに応じたカウンセリングをおこなうという。

シカゴストアのスタッフ

トップシェア維持の秘訣は「ニーズに合わせたラインナップ」と「サポートの充実」
Q:マーケティング調査会社CANALYSのレポートによると、全米で出荷されるGPSデバイスのシェアはGARMINが47%を獲得して2位以下を大きく引き離しています。急成長する市場の中で、トップシェアを維持している秘訣は?

JA:わが社が現在も他社に比べシェアを大きく取っているのは、カーナビゲーションの分野でも幅広い製品ラインナップを揃えているからでしょう。もちろんハンズフリー性を高めた安全性の高さも重要なファクターですが、それに加えお客様個々のニーズに応え、ナビゲーションのみのシンプルなものから、交通情報に対応したもの、音楽再生も可能にしたもの。最近では音声認識の製品も出すなど出来る限り多彩なお客様の声に反映した製品を投入しています。


Q:直営ショップならではのサービス、メリットなどがあればお教え下さい。

JA:ショップに訪れる顧客の多くはベーシックなGPSシステムを求めて来店されますが、説明員が便利な機能を説明し、お客様が求める機能を的確に把握することで、最終的にそれぞれに最適な製品を購入していただくことができています。例えば、このショップではベストセラーのnuvi260 に比べ、ワイド画面のnuvi260Wが伸びており、双方合わせてショップの売り上げの全体の3分の1を占めるに至っています。

先にもお話しましたが、実際にインターフェイスを始め、見て、触って、体験していただくこと、そして多くの選択肢の中から比較検討していただいた結果です。また、ショップとは別に、わが社の強みのひとつとしてカスタマーサポートの充実があります。全米どこからでも電話オペレーターによるテクニカルサポートが中部時間で朝8時から夜7時まで受けることができ、特に購入した直後の使用方法の質問などに対する細かい説明にも対応するサービスは好評をいただいています。

《ケニー中嶋》


GARMIN オフィシャルサイト シカゴストア http://www8.garmin.com/retail/


Copyright (C) 1999- WORLD PHOTO PRESS Co.,Ltd. & IRI Commerce and Technology, Inc. All rights.