カーナビだけがGPSではない ハンディGPSの奥深い世界
GPSのシグナルを受信し、位置情報を表示する手のひらサイズの機械。ハンディGPSを一言で説明すればこのように言えるだろう。一般の人には馴染みがないが実はかなり以前から販売されており、山家やヨットマン、あるいはハングライダーの愛好者などにとっては必須アイテムとなっている。

初期のハンディGPSは小さなディスプレイに緯度、経度の数値を表示するだけのシンプルなものだったが、今やカーナビ並みの地図を表示できるまでになった。

こうなると一部の人だけに使わせておくのはもったいない。というのも、ハンディGPSは多くの人が想像するよりずっと楽しめる魅力を持っているのだ。とくにアウトドア系の趣味を楽しんでいる人なら、使い始めればハマること請け合いといえる。


老舗GARMINの多機能ハンディGPS GPSMAP60CSx
ハンディGPSの分野では老舗でありトップブランドといえるのがアメリカのGARMIN社だ。60CSxはGARMINのアウトドア向けラインアップの中でもトップエンドに位置する多機能モデルとなる。

その機能は幅広く、地図上に現在位置を表示できるのはもちろん、行き先を設定してルート案内させるというカーナビ並みの機能も搭載している。さらに高度計、気圧計、コンパスとしての機能も備える。

外観はアウトドア、あるいはミリタリー的な印象を持たせるもので、実際、日常生活防水のヘビィデューティ仕様。いかにも頼れそうな感じだ。サイズは携帯電話よりふた周りほど大きく、厚みもあるのでジーパンやワイシャツのポケットに入れるには無理がある。しかしジャケットのポケットなら大丈夫。また専用のベルトクリップ、リストストラップも付属する。

操作ボタンは十字キーが中心にあり、それを囲むように8個のボタンが並んでいる。携帯のように片手で持って親指で操作できるように考えられており、本体の持ち方さえ気を付ければ操作は非常に快適。本体下部のゴム部分を持つのがコツだ。

ディスプレイは2インチ・256色と平凡なスペックだが、屋外でも非常に見やすい。電源は単三乾電池を2本使う。電池寿命は通常使用で18時間とかなり長持ちだ。もちろん充電式電池も使える。

それと、このモデルに限らずハンディGPSのほとんどがそうなのだが、GPSデータを保存しておいてパソコンに取り込むことが可能。本機はさらに地図もパソコンを通じて入れ替えられる、パソコンとUSB接続できるなど、パソコンとの連携で真価を発揮する。また、外部メディアとしてmicroSDカードを採用しており、GPSデータや地図は全てこのカードに保存するようになっている。


本体裏には各種接続ターミナルとバッテリー収納部、ベルトクリップを取り付けるネジ穴がある。防水仕様のためターミナルはゴムでフタをされている

バッテリーは単三電池2本。その下にminiSDカードスロットがある

操作ボタンは下部に集中しているため、必然的にこのような持ち方になる。無理があるように見えるが慣れると全く問題なく、むしろ快適。滑り止めのゴムが効果的でよく考えられたデザインだ


歩きながらの操作も苦にならない、優れたインターフェース
さてこのハンディGPS、いったい何に使うの? という人もいるだろう。実用的な用途で言えば、初めて行く場所へのルート案内させることができる。しかしそれは使い方の一例でしかない。では他にどんな用途があるかといえば、それは「アイディア次第」。これは別に言葉を濁しているわけではなく、率直にして正直な意見だ。

というのも、実際に本機を手に持ってしばらく歩いていると、これはあんなときに便利そうだ、こんなことにも使えそうだというアイディアがポンポンと沸いてくるのである。たとえば筆者の場合、カメラを担いで近所を散策したりするのだが、本機をポケットに忍ばせておけば、後でどのコースを歩いたか確認できる。そのGPSデータを写真と一緒に保存しておけば気の利いたアルバムになる。

この「GPSデータを保存できる」というのは非常に大きなポイントだ。散歩でもジョギングでも、本機を連れて行くだけで何の手間もかけずにその記録を保存できるのは非常に楽しい。

もちろん、移動手段は乗り物でもかまわない、自転車、バイク、自動車でも本機を連れて行けばどんなコースを走ったか全て記録できる。行き先を決めずにドライブやツーリングをするのが好きな人なら、これだけでもう欲しい!と思うのではないだろうか。

このようにハンディGPSは行動を自動記録するロガーとしての機能が大きな特徴。釣りが好きな人なら偶然見つけたポイントを、スキーが好きな人ならゲレンデのどの場所を滑ったかを記録できる。およそ屋外の移動なら近所の散歩から日本一周まで何でも記録できるのだ。記録したデータ、つまり移動の軌跡ログは付属のマップソフトに表示できるほか、Google Earthに表示させることもできる。



電源を入れると衛星を探し始める。

測位が完了すると受信している電波の強さ、緯度、経度、誤差が表示される。撮影のため室内で電源を入れたにもかかわらず誤差9メートルはすごい

マップ画面。表示される地図は本体にインストールする地図ソフトによって違う。本機には「1/25000日本詳細道路地図(シティナビゲーター)」が付属。画面上部のデータ表示は設定で非表示にもできる

高度画面。本機には気圧センサーがあり、気圧から高度を算出している。

コンパスは移動していないと方角を検出できないGPSの弱点を補うために専用の磁気センサーを搭載した本格的なものだ。

トリップ画面。移動した距離、平均速度、最高速度などが表示される。

メインメニュー。電卓やストップウォッチ、ゲームといった機能もある。

誤差数メートル以内は当たり前 使ってみれば精度の高さに驚く
では実際に使ってみよう。まず電源を入れると、1〜2分で現在位置を測位する。ちょっと時間がかかりすぎのようだが、本機は基本的に電源を入れっぱなしにして使うもの。起動時間は余り問題ではない。現在位置を測位するとそこに誤差も表示されるが、開けた場所なら数メートル以内。誤差3〜4メートルになることも珍しくなく、ハンディGPSの高級機だけあってこの精度はさすがというほかない。

感度も非常に高く、コンビニや郊外型の低階層の建物なら屋内に入っても測位不能にならないほどだ。ハンディGPSは樹木が頭上を覆い尽くして空が見えないような状況で使われることも多く、GARMIN社はそういった状況に対応するためのノウハウを知り尽くしている。これが町中でも大いに役立つのだ。GPS泣かせといわれるビル街でも測位不能になることはまず無い。

ディスプレイ表示はページ切り替えによって衛星状態、高度、コンパス、マップなどを表示できる。各ページは「ページ」ボタンで切り替え、「メニュー」ボタンを押すと各ページ専用のメニューが表示される。このインターフェースは分かりやすく、歩きながらの操作も苦にならない。独立した「戻る」ボタンがあるのも親切だ。
《山田正昭》


製品レポート



GARMINのアウトドア向けGPS、GPSMAP 60CSxで目的地を設定してルート案内をさせてみた。目的地は住所のほか電話番号や店舗名でも検索でき、周辺施設検索機能を使って近くにある飲食店などを探すこともできる。カーナビと比べても全く引けを取らない充実ぶりだ。
GPSMAP60CSx インプレッション紹介

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